在宅勤務のメリット・デメリットについて書きます。
2021年1月7日に東京を含む1都3県で緊急事態宣言が発令され、出勤者数の7割削減が掲げられています。
今回の緊急事態宣言の内容だと、企業側としては「できれば在宅勤務にしてください」という選択制を採るところも多い気がします。
在宅勤務をしたことない人や過去にしたことがあるけどあまりしっくりこなかった人向けに、在宅勤務のメリット・デメリットについてご紹介しようと思います。
僕の働く会社では2020年夏以降でも出勤者数が5割以下に抑えられており、半数以上が在宅勤務という状態でした。
個人的な結論を先にお伝えすると、
僕は在宅勤務より会社勤務を推奨、通常時は会社勤務を多めで緊急事態宣言中は在宅勤務を多めの方針です。
なぜかというのは本記事で紹介する内容を読んでいただけると分かるかと思います。
在宅勤務とは?
この記事で言う在宅勤務の定義を最初に記載しておきます。
対義語:会社勤務
類義語:在宅ワーク、テレワーク、リモートワーク
在宅勤務とは文字通りですが、自宅に勤務することです。
在宅勤務によく似た言葉として在宅ワーク、テレワーク、リモートワークというものがあります。
こちらも紛らわしいので定義しておきます。
テレワーク:オフィスから離れて仕事すること。在宅勤務はテレワークの1つ。
リモートワーク:場所や時間の制約もほぼなく仕事するイメージ。
テレワークはオフィスを離れて勤務しているといった言葉なので、在宅、カフェ、ホテル、コワーキングスペースなど幅広く対象です。
緊急事態宣言ではテレワークの推奨と言っているのは、大部分は在宅勤務を指しているものの、選択肢の余地を残すという意向もあるのだと思われます。
在宅勤務のメリット
在宅勤務のメリットですが主には下記の4つです。
2.使える時間が増える
3.空調をコントロールできる
4.仕事中に急に声をかけられない
1つずつ説明していきます。
1.通勤(満員電車)がなくなる
在宅勤務の一番大きなメリットは通勤がなくなることです。
首都圏や都市の会社勤めしている方であれば、誰しも経験したことがあるであろう満員電車に乗らなくてよくなるのはメリットですね。
朝から満員電車に乗って通勤するのは疲れるし良いことはありません。
2020年7月ごろであれば山手線でも座れましたが、今となっては立っている人も多数。
特に新型コロナウイルス感染のリスクもあり、満員電車での通勤をなくせるのは大きなメリットですね。
2.使える時間が増える
在宅勤務のもう一つ大きなメリットは使える時間が増えることです。
通勤がなくなるに関係しますが、往復の通勤時間を丸々使えるようになるので自由な時間が増えます。
東京23区の会社勤めだと片道の移動平均時間は1時間を超えると言われています。
つまり往復で2時間の通勤時間が使えるようになり、趣味や勉強、家族の時間、副業などにも使うことができるようになります。
平日で自由に使える2時間が増えるのはかなり大きなメリットです。
3.空調をコントロールできる
経験したことのある方ならわかると思いますが、空調を自由にコントロールできるのはけっこうありがたいです。
オフィスによっては空調が利きすぎる席、利かなさすぎる席が存在することがあります。
オフィス用の空調は威力が強いので夏だとクーラーで身体が冷えるし、冬だと乾燥して目が痛くなるし。
かといって部屋全体に対して使っているものなので1社員のために止めるわけにいきませんからね。
在宅勤務だと自宅なので空調を自由にコントロールできるので、悩まれたことがある方からすればメリットでしょう。
4.仕事中に急に声をかけられない
会社勤務だと良くも悪くも急に声をかけられることが増えます。
集中して資料を作っていたり作業に打ち込んでいるときに声をかけられて、集中力が切れることというのがあると思います。
在宅勤務の場合はそういったことは起きないです。
チャットツールやメールなどで連絡が来るかもですが、確認したり返答するタイミングは自分でコントロールできるので集中力が切れるタイミングでもいいわけです。
あとは急な会議に呼ばれたりということも少なくなりますね。
仕事のペースを自分のコントロールで進めやすくなるというメリットはあります。
在宅勤務のデメリット
在宅勤務のデメリットですが主に下記の6つです。
2.健康を害する可能性がある
3.集中力を保ちづらい
4.仕事の効率が落ちる可能性がある
5.電気代などが増える
6.家族に迷惑をかける可能性がある
デメリットに関しては全ての人に当てはまるわけではなく、「こういった落とし穴がある」と捉えていただければと。
それでは1つずつ説明していきます。(各項目ごとに考えられる打開策も合わせて記載しておきます。)
1.仕事に適していない環境の可能性がある
在宅勤務になったときに一番困るのが仕事をする環境になっているかどうかです。
気になる点を挙げてみると、
・デスクトップモニター(普段デュアルモニターの方)
・長時間働けるようなイスや広いデスク
・スキャンやコピーできるプリンター
このあたりは会社勤務だと当たり前のように備わっていますが、在宅勤務時に足りないんじゃないかと思います。
自宅のwifi通信だと「パワポをダウンロードするのにも時間がかかる」なんてことも平気で起こりえます。
デスクトップモニター、長時間働けるイス、デスク、プリンターなどは買うこともできますが全てそろえると良い金額しますよね。
仕事する環境が自宅に揃っていない場合、作業効率が落ちるのでデメリットになります。
解決策:ネット通信の契約をグレードアップ・足りない設備は買い足す。
お金が出ていくこと必須ですが長い目で見ると整えたほうが良いでしょう。モニターなどは会社と交渉してみるのも手です。
2.健康を害する可能性がある
個人的にはこの健康面が在宅勤務のネックです。
「在宅勤務でなぜ健康を害するのか?」と疑問を持つ人もいるかと思いますが、しばらく続けてみると実感できます。
一つは通勤がなくなることで歩く機会を失うことです。
僕だと最寄り駅まで徒歩10分、到着駅からオフィスまで5分、なので1日に往復30分は確実に歩く機会があります。
あとはオフィスだとドリンクサーバーまで歩いたり、お手洗い行くのにも歩きます。
歩数計を見る限り1日7000歩で約3kmほど歩いているのですが、これが失われるのは影響が大きいです。
在宅勤務でも散歩すればいいのですが、通勤だから習慣化していてできているという側面もあります。
あとは在宅勤務だと目線が近くになるということも懸念しています。
オフィスだと自宅より確実に広く遠くまで見る機会が多いですが、自宅だとどうしても近くのものにばかり焦点が合います。
在宅勤務で1日集中して仕事していると会社勤務のときより目が疲れるということを何度も体験しています。
会社だとお手洗いや会議室に向かう際に景色が変わるので、それが目に良いのではないかと思います。
解決策:朝と仕事後に散歩する。1時間に1回ほどは外の景色を見るなどをして目を休める。
習慣化するまでしんどいですが、リマインド機能などを使って継続できるようにしましょう。
3.集中力を保ちづらい
人によるかもしれませんが会社勤務に比べて在宅勤務は集中力を保つのが難しいなと感じます。
1日8時間を自宅1人で仕事している状態は集中力を保ちづらいですね。
というのが人は1人だと頑張り続けることが難しいんです。
学生時代の部活動など思い返していただければよく分かりますが、しんどいトレーニングや筋トレがあってもなんだかんだ3年間続けてる人が大半ですよね。
1人で筋トレするのはよほど自分に厳しい人でないと毎日続かないと思います。
会社に集まって仕事しているのもそれに近い側面があり、周りが仕事をしている、上司に見られている、といった環境だからこそ毎日8時間働き続けれていると言えます。
在宅勤務はその環境を手放していることになり集中力を保ちづらくなってしまいます。
また、自宅はくつろぐ場所と捉えている方も多いと思いますが、仕事モードに切り替えるのが難しかったりしますよね。
自宅に仕事部屋を確保できる方は大丈夫かもしれませんが、都内に住んでいると部屋が増えると家賃が増えるので仕事部屋を確保できている方は多くない気がします。
あとは小さい子どもがいたりすると泣き声であったり、遊んでほしくて声をかけたりなど。
うちも0歳の赤ちゃんがいますがまだ泣く時期なので気にはなりますね。
在宅勤務だと集中力を保つのが難しいという部分がデメリットだと感じます。
解決策:1日に複数回社内の人とコミュニケーションをとる時間を作る。場所の問題は家賃の安い郊外に引っ越すなどを検討。
コミュニケーションをこまめにとることでチームで仕事している感覚を持つことができます。仲の良い同期とライン電話をつなぎっぱなしにするなども有効な手段になるかもしれません。
部屋がないことや子どもの問題は広い家に引っ越すという手段になると思います。
4.仕事の効率が落ちる可能性がある
在宅勤務の隠れたデメリットとして短いコミュニケーションが取りづらいという点があります。
会社勤務していれば隣の人に聞くことで即時に解決することが、在宅勤務になっているために聞けないということが起こります。
チャットなどで聞くとしても認識ずれが起きないように文章説明するのが時間かかったりなど。
そもそも自分だけでなく質問する相手の理解力も高くないと成り立たなくなりがちという点も注意ですね。
あと起こりがちなこととして、役職者の方がチャットでの確認や返信が遅れるなどですね。
確認をとってからじゃないと進めれないことなどは、その都度スピードが遅くなり仕事全体に影響出ることもよくあります。
確認や返信もらえる時間を把握して連絡するなどの工夫が必要になってきます。
解決策:5分程度のテレビ会議時間を細かくできるようにしておく。1日1度の相談時間をもらうなど。
会社勤務と同じようにはできないと思いますが、少しでも確認できる場を設定しておくと仕事しやすくなります。
5.電気代などが増える
在宅勤務は自宅を使うため照明や空調、PCの電源など確実に電気代が増えます。
会社勤務であれば日中は家にいないので電気代がかかりませんが、1か月丸々在宅勤務にするとけっこうな金額差になってきます。
夏や冬だと空調をつけっぱなしになるので電気代の増加は避けられません。
お手洗いも当然使うので水道代も少しずつ増えますよね。
あとは会社にウォーターサーバーやコーヒーサーバーがある方はそういった費用も細かいですが加算されていきます。
解決策:正直あまり打ち手がありません。在宅勤務手当などを会社に交渉してみるなど。
この点は解決が難しいです。電気代に関しては少しでも安い電力会社に切り替えるなどがおすすめです。
電気代を少しでも安くしたい方は『【電気料金の比較】電気代が安いおすすめの電力会社を紹介!【比較表あり】』の記事を参考ください。
6.家族に迷惑をかける可能性がある
家族で住んでいる場合、自分以外の人に迷惑をかけることを理解しておく必要があります。
例えば、リビングや共有の部屋で仕事をしていれば妻の休憩時間やご飯の時間を邪魔することになるかもしれません。
テレビ会議中だと音が気になるので掃除機がかけれないなど。
子どもがいれば話しかけないように釘をさす必要があるかもしれません。
自宅というプライベート空間を使う以上、いっしょに暮している家族にはなんらかの形で迷惑をかけてしまうというデメリットが存在します。
解決策:家族がいる人はあらかじめどういった不都合が起きるか話しておく。そのための穴埋め策があるとベター。
コミュニケーションをとって相談し、在宅勤務をしたことにより時間が浮くはずなのでその時間で家のことをやるなどの代替案が出せると良いです。
在宅勤務は通勤時間に応じて採り入れる
ここまで在宅勤務のメリット・デメリットを紹介してきました。
在宅勤務を採り入れるかどうかは、在宅勤務のメリットである『通勤時間がなくなる』という点で割に合うかどうかで考えるのが良いでしょう。
通勤時間が短い人は在宅勤務のメリットが薄いですし、通勤時間が長い人は在宅勤務のメリットが大きいです。
通勤時間別の在宅勤務割合(目安)
通勤時間(自宅からオフィスまで)に応じて在宅勤務をどれぐらいするのかの目安を記載します。
以下に記載するのは通常時であり、緊急事態宣言中であれば感染リスクも高いので避けるために在宅勤務を増やすという考え方でいいでしょう。
30分~1時間:週2~3回
1時間以上:週3回以上
30分以内は電車に数駅は乗ることが考えられるので、週に1~2回は在宅勤務を採り入れるとちょうど良いでしょう。
徒歩や自転車圏内であれば全て会社勤務で問題ないと思います。
30分~1時間は在宅環境が仕事できる状態であれば、週2~3回は在宅勤務を採り入れて無駄な時間を減らすのが良いです。
1時間以上はすでに都市圏から離れていると思うので、自宅状況を整えて在宅勤務多めに変えていくほうが仕事も生活もしやすくなるのではと思います。
参考までに、僕は新宿までの通勤に45分。始発駅のため通勤中は座れるのでそこまで苦ではありません。
徒歩の時間が往復で30分ありちょうど良い運動になっています。
緊急事態宣言中は週3回の在宅勤務にしますが、解除されれば週2回、感染者数が落ち着いてくれば週0~1回にしようと考えています。
自宅だと集中しづらかったり長時間作業用のイスでなかったりするので、できれば会社勤務したいですね。
会社も出社率が40~50%以下に抑えられていて感染リスクも非常に低く、落ち着いた後に在宅勤務を多くする理由が今のところ見当たりません。
自宅状況や会社の出社率なんかも関係してくるので一括りにはできませんが、参考にしていただければ幸いです。
在宅勤務の活用方法
ここまで説明してきましたが、週5日で在宅勤務にするというのはあまりおすすめできません。
仕事の質や集中力の保ちやすさなど働く環境で考えると会社のほうが良いからです。
ただし、在宅勤務も使い方次第だとは思っています。
同じ職場の方は資料作成や1人で集中したい作業が多いときは在宅勤務にし、それ以外は会社勤務というふうに使い分けています。
週2日程度の在宅勤務ですが仕事の質は非常に高いです。
週3日会社で会っているとコミュニケーションもしっかり取れています。
あとは週の半ばに在宅勤務を持ってくることで身体を休めることもできます。
朝の通勤時間がなくなるので少し長めに眠ることができるなどのメリットがあります。
満員電車の通勤で体力奪われたりもなくなるので、身体を回復させるのに在宅勤務は向いていると思いますね。
連続して在宅勤務するのではなく、会社勤務の合間に挟むのがバランスが良いです。
他にも在宅勤務のうまい活用方法などあると思うので、ダメだと決めつけるのではなく会社勤務と組み合わせて使いこなしていきたいところです。
まとめ
最後に在宅勤務のメリット・デメリットについてまとめておきます。
1.通勤(満員電車)がなくなる
2.使える時間が増える
3.空調をコントロールできる
4.仕事中に急に声をかけられない
【デメリット】
1.仕事に適していない環境の可能性がある
2.健康を害する可能性がある
3.集中力を保ちづらい
4.仕事の効率が落ちる可能性がある
5.電気代などが増える
6.家族に迷惑をかける可能性がある
個人的には会社勤務のほうがメリットが大きいと感じていますが、状況によって在宅勤務が使えるようになったのは喜ばしいことです。
うまく在宅勤務を使いこなして仕事も生活も両立していきましょう。