分県別府市鉄輪温泉にある『サリーガーデンの宿 湯治柳屋』に一人旅で宿泊してきました。

湯けむりが立ち上る鉄輪温泉(かんなわおんせん)に行ってみたかったのと、地獄蒸しが宿で利用できるということで湯治柳屋を選びました。

実際に泊まってみて、宿の雰囲気や地獄蒸しをとても楽しめました。別府・鉄輪温泉に行ったらもう1回泊まりたい宿です。

この記事では、湯治柳屋に宿泊した内容をブログとしてまとめたのでご参考ください。

※2022年2月下旬に宿泊した内容です。

湯治柳屋の特徴

湯治柳屋の特徴は下記の通り。

・鉄輪温泉にマッチした外観や内観
・宿泊者は地獄蒸しや調理器具を自由に使える
・チェックイン時にシフォンケーキが出てくる
・地獄蒸しを利用した朝食がおいしい
・鉄輪温泉の地域連携をしたサービスをしている

湯治柳屋は2014年にオープンしてますが、元々別の宿だったものを受け継いでいるようです。

宿の外も中も鉄輪温泉に合った落ち着いた雰囲気で、1泊といわず数日滞在したくなる場所でした。

湯治宿というとあまり整っていない宿みたいなイメージを勝手に思ってましたが、泊まってみてとても快適でした。

ホテルへの行き方

湯治柳屋への行き方は車かバスのいずれかで向かうことになります。

【大分空港から】
・車で約50分
・バスを乗り継いで鉄輪口まで約100分、そこから徒歩約7分

【JR別府駅から】
・車で約15分
・バスで鉄輪温泉まで約25分、そこから徒歩約2分

湯治柳屋のある鉄輪温泉まではバスでも行けますが、それなりに時間がかかります。

別府では観光できる場所がそれぞれ離れているので、運転できるならレンタカーがおすすめです。

レンタカーを予約する際はたびらいレンタカーから探すと最安値のレンタカーを探せます。

免責補償や新しいカーナビもついていて、公式サイトよりも安い金額で借りれます。予約時の登録も簡単で手間がかからないのでおすすめです。

駐車場は宿泊者であれば無料で利用できます。鉄輪温泉の道が少し狭いので大きい車は避けたほうがよいでしょう。

一方通行があるので、駐車場への道は公式サイトを参考ください。

湯治柳屋に宿泊

湯治柳屋に宿泊した様子を写真といっしょに紹介していきます。

朝食付き本館和室4.5畳の部屋に1泊しました。

料金は10,505円に入湯税250円が加わって合計10,755円でした。

宿で地獄蒸しを使って調理できるというところに惹かれて、予約したのですが想像以上に楽しめました。

宿にチェックイン

宿には車で向かいました。鉄輪温泉が狭い道なので少し苦戦しましたが、駐車場は広めでした。

柳屋外観

外観は昔ながらの旅館のようで鉄輪温泉に合った雰囲気でした。入口には宿名が書かれた大きなのれんがかかっています。

柳屋入口

柳屋の入口からの眺め

中はきれいでしたので全てでないかもしれませんが、リノベーションを行っていそうです。

柳屋受付時

チェックイン時はこちらで座りながら待ちます。湯治宿だともっと古びた感じかと思ってましたが良い意味で期待を裏切られました。

柳屋受付時のシフォンケーキ

待っている間にシフォンケーキとほうじ茶をいただきました。

シフォンケーキは宿の隣にあるサリーガーデン運営の『アルテノイエ』のものです。宿と運営元が同じようです。

このシフォンケーキがとてもおいしくて(しかも量が多い)、次の日の朝にアルテノイエに行ってしまいました。


チェックイン時には館内の説明がありますが、実際に館内を歩きながら説明いただきました。

地獄蒸しの使い方や炊事場、お風呂、談話室、ラウンジなど。

説明を一通りいただいたあとで鍵を受け取ります。


ことぶきやウェルカムドリンク

16時までにチェックインすると『ことぶきアワーウェルカムドリンク券』がもらえます。

こちらは湯治柳屋からすぐ近くの『ことぶき屋』でビールやソフトドリンク、アイスなどと引き換えできる券です。

早めに宿に着く予定の方は16時までにチェックインするのがよいでしょう。

本館和室4.5畳の部屋

柳屋の館内図
(※こちらの写真は自宅で撮影)

今回宿泊は本館和室4.5畳の部屋です。湯治柳屋では本館、新館、ネスト、離れ、と複数の建物があります。

本館では調理した食事を談話室でも客室でも食べれますが、それ以外の建物は談話室のみになります。

本館はどの部屋もトイレ・洗面所が共用です。複数あるので滞在中に混みあうことはありませんでした。

部屋の入口

『桜』という名前の角部屋でした。

上のスキマから中が見えるかなと思いましたが、ドアの向こうに襖があるので、その心配は不要でした。

部屋の内観①

部屋の内観②

お部屋はこんな感じで1人だと4.5畳でも十分な広さですね。

湯治用となっていたので、畳とか古いかなと思ってましたが普通に綺麗です。

障子が足元にあるのは珍しいですね。

部屋からの眺め

障子を開けると『アルテノイエ』が見えます。部屋としてはちょうど入口の真上に位置する場所ですね。

部屋のお風呂セット

浴衣やお風呂セットもあります。宿から出るときは下駄も借りれるので足袋をはいてもいいでしょう。

部屋の金庫など

金庫やちょっとした備品もありました。金庫の上に乗っていたラケットのようなものは何か分かりませんでした。


そのほかミニ冷蔵庫やテレビ、鏡などもあり不便はしませんでした。

ポットは部屋に備え付けではありませんが、自炊室から借りられるのと、ラウンジでドリンクが飲み放題なので問題ありませんでした。

夜に温かいお湯を飲みたいとかだと少し不便に感じるかもしれません。

お布団は自分で好きな時に敷くスタイルです。

4.5畳の部屋は2人だと少し狭く感じるかもしれませんが、1人であれば十分な広さでした。

自炊室

 自炊室前

館内では玄関で靴を脱いで客室や談話室はスリッパ不要ですが、自炊室、地獄蒸し場、浴室、ラウンジには
スリッパで移動します。

自炊室入口と外から談話室に入るところにスリッパ置き場があります。

 自炊室入口

自炊室は7:00~21:00まで利用できます。

冷蔵庫に入っている調味料は自由に利用できるので、外で買ってくる必要はありませんでした。

 自炊室の内観

炊事場を使っているお客さんはけっこういましたが、炊事場が広いので混雑することはありませんでした。

自炊室の食器①

自炊室の食器②

茶碗やお皿、カップ、フォークやお箸などもたくさんあります。

自炊室の鍋など

地獄蒸しで使える土鍋やIHで使える金属の鍋もありました。

地獄蒸し

自炊室が階段を降りると地獄蒸し釜があります。7:00~21:00で利用可能。

 地獄蒸しの釜

使用していないときでも蒸気が少し上がっています。鉄輪温泉ではこの釜が一家にひとつあるのでしょうか?

地獄蒸しの釜8つ

蒸し釜が8つあり、蓋がしまってないところは自由に使えます。

蒸し釜の使い方はチェックイン時に教えてもらえます。

地獄蒸しの調理時間目安

各食材の蒸し時間の目安が記載されています。

地獄蒸し用のタイマーなど

蒸し調理をするときは専用の蒸し皿を使います。タイマーや鍋つかみもあります。

地獄蒸し横の涼み場所

近くに座れるところもあります。蒸している間やお風呂上りに涼むのに使えました。

 地獄蒸し横の飲泉所

蒸し釜のすぐ隣に飲める温泉があります。ちょっと熱めで色んな成分を含んでいるからか薄いダシのような味がしました。

談話室、アンテルーム

館内には『談話室』というご飯を食べたりくつろげる場所があります。

談話室の内観①

談話室の内観②

蒸し釜のすぐ近くにあるので蒸した食材を食べる場所として使うことが多い気はします。

談話室のマンガなど

マンガや本なども置いているので、お風呂上りやご飯後にちょっと休憩に使うのもよいでしょう。

コロナ禍でなければ宿泊者同士の交流の場としても使われてそうです。


1階の浴室近くに『アンテルーム』というラウンジのような場所があります。

アンテルーム入口

朝の9:15までは朝食会場ですが、それ以降はフリードリンクを飲んだりコワーキングスペースとしても使える場所になっています。

アンテルームのお花

中に入ると花があり、お部屋に飾っても良いとのこと。まさに暮らすような宿ですね。

アンテルームのフリードリンク

フリードリンクにはコーヒー、紅茶、ハーブティー、冷水、そして梅酒もありました。梅酒がフリードリンクとしてあるのは珍しい気がします。

アンテルームの内観①

アンテルームの内観②

各席のスペースは広く、ところどころに花が飾られていて落ち着いたスペースでした。

お風呂上りとかに飲み物をいただきに使わせてもらいました。

地獄蒸しで夕食

ことぶきや外観

夕食は地獄蒸しで調理して食べようと思っていたので、近くの『ことぶき屋』で調達しました

湯治柳屋で使いたい旨をお伝えすると、海鮮と野菜をいくつか詰めたセットを作ってくれました。

夕食の食材

お米は自宅から食べる分だけ持ってきていました。野菜は洗って食べやすい大きさに切るだけ。

あとは蒸し釜に放り込むだけのお手軽料理。

夕食のお米をセット

お米の時間は調理例に載っていなかったのですが、鍋を使った時は30分とネットにあったのでその時間を目安に。

夕食の調理中

お米、いも類、海鮮、の順番で蒸し釜に入れてあとは放置。勢いよく蒸気が上がっています。

これだけで本当に調理できるのだろうか?

夕食のおかず蒸し上がり

時間になって蒸し釜のふたをとったところ、野菜も海鮮も良い感じに蒸せてそう。

肝心のお米はというと・・・

夕食のお米蒸し上がり

炊きあがってるー。炊飯器でなくてもお米が炊けるということに感動です。

見た感じもおいしそう。

夕食の蒸し定食

こんな感じで蒸し野菜・海鮮定食ができあがりました。実際に食べてみたところ、

お米はしっかり炊きあがっていておいしい。土鍋ご飯が初めてだからかとてもおいしく感じます。

野菜は味がしっかりしますね。ポン酢につけなくても食べれます。温泉に塩分が含まれるからでしょうか?

海鮮も味がしっかりしています。エビがおいしい。

地獄蒸しがとても楽しく他の食材も蒸したくなってしまいますね。

夕食の談話室から

談話室で食べていたら他のお客さんもいて、少し会話したりしてました。

湯治宿なので1人で来ているお客さんも多そう。

地獄蒸しが楽しいので、何日か滞在して魚や鶏肉も蒸したりしてみたくなりました。今度来るなら複数泊したい。

大浴場

お風呂は1階と2階で時間によって男女が入れ替わります。

お風呂1階の入口

男性は23:00まで1階、23:30以降に2階、の温泉が利用できるようでした。

1階のお風呂は地獄釜から階段を数段降りたところで、アンテルームの近くでした。

お風呂1階の内湯

1階は内湯の温泉のみ。90度を超える源泉ですが、かけ流しのよう。湯量を少なくして調節しているようです。

洗い場は数か所ありました。入浴中は他のお客さん1人といっしょだったぐらいで混雑もなかったです。

お湯は酸性のナトリウム系。メタケイ酸も豊富に含まれているからか化粧水っぽい感触。

お風呂上りはとても身体がポカポカしました。


お風呂2階入口

2階のお風呂は大浴場だけでなく、蒸し湯や露天風呂もあります。

お風呂2階の内湯

大浴場は1階とほぼ同じぐらいの大きさ。

お風呂2階のシャンプーなど

シャンプーやボディソープなどは1階も2階も同じPOLA製。

お風呂2階のむし湯

蒸し湯は利用しませんでしたがスチームサウナのようでした。夜だったら利用したかったな。

お風呂2階の露天風呂

こじんまりしていますが露天風呂もありました。2階ではほぼこちらの露天風呂に入っていました。

泉質は1階も2階も同じでしたが、2階はバリエーションが多く楽しいですね。

朝食

朝食はラウンジ『アンテルーム』になります。

朝食は和・洋・中の3種類で日替わりで提供。時間は7:30か8:00をチェックイン時に選びます。

時間になったらアンテルームに行き、朝食がくるのを待ちます。

写真を撮り忘れましたが、コーヒーやソフトドリンク、ハーブティー、水などの飲み物類や、ゆで卵やジャム、バターなども置いています。

朝食のテーブル

ドリンクを飲みながら席に座っていると朝食のトレイが運ばれてきました。

朝食の全体

せいろ蒸しとスープ、サラダ、ヨーグルト、蒸し大豆が来ました。

朝食のせいろ蒸し

せいろ蒸しのふたをとると、パン、野菜、ソーセージ、ハム、ドライフルーツ、が蒸されています。

せいろ蒸しのパンは初めてですが、柔らかくてモチモチ。とてもおいしい。

蒸し野菜も水分が残った状態なので味が凝縮されています。せいろ蒸しにするとこんなおいしくなるんですね。

ソーセージはハーブが入っているよう。肉汁が閉じ込められています。

ドライフルーツを蒸し上げるとしっとりした感じになるんですね。

あとで宿の方に聞いたところせいろ蒸しは地獄蒸しの温泉に含まれる成分で自然と味がつくとのこと。

蒸し料理がここまでおいしいということに感動しました。おいしかったー。

宿周辺の観光

宿の周辺で観光できる場所も紹介しておきます。


・みはらし坂

見はらし坂

宿から歩いて5分程度の場所に『みはらし坂』という坂道があります。

こちらを上ると鉄輪の町並みを一望できるのですが、立ち上がる白い煙がとても綺麗に見えます。

この坂には日中、夜、朝、と行きましたが時間帯によって見え方が変わりとても楽しいです。

鉄輪が見える展望台もあるのですが、そちらは遠いので、みはらし坂のほうが気に入りました。


・鉄輪むし湯

 鉄輪むし湯

宿から歩いて『鉄輪むし湯』があります。こちらも宿から歩いて数分の場所です。

釜の中に薬草が敷き詰められており、その上に横たわるむし湯です。初めての体験でした。

終わった後は汗びっしょり。鉄輪むし湯を出る頃には頭がすっきりしました。


・地獄めぐり

別府地獄めぐり

別府でも有名な『地獄めぐり』ですが、鉄輪温泉から歩いて行ける距離にあります。

一部離れていますが、ほとんどの地獄が歩いて順番に回れる位置にあります。

変わった色の水やワニなどが見れます。別府観光の代表ではありますが、個人的には鉄輪温泉の町を歩いているほうが楽しかったです。

湯治柳屋に宿泊した感想

湯治柳屋に宿泊して気づいた注意点・良かった点を書いておきます。

注意点

・子連れで泊まれる棟が限られている

柳屋は子ども連れで宿泊できるのが『離れ』のみとなっています。

中学生未満の子どもといっしょに本館や新館、ネスト、に宿泊することはできません。

建物内で声や音が響きやすいため、離れのみとなっているのかもしれませんね。


・館内にエレベーターはない

昔ながらの宿であり、構造も入り組んでいるからでしょう。

館内にはエレベーターがないため足が悪い方は宿泊しづらいです(部屋も基本的には上の階層のため)。

良かった点

・地獄蒸し体験が楽しい

一番印象に残っていますが、地獄蒸しを実際に利用できるのが楽しいです。

鉄輪の昔ながらの調理法を滞在中に好きなときに使えるというのが良いですね。

しかも、食材を入れるだけでおいしい蒸し料理ができるというのも素晴らしいです。


・自炊するための設備が整っている

自炊するための調理器具や食器、調味料などもあり、自炊するに困ることはありません。

自炊室も広いので他のお客さんといっしょになることはあっても、混雑することはありませんでした。

他の自炊ができる宿にまだ泊まったことはありませんが、宿の自炊初心者にとってとても使いやすかったです。


・鉄輪温泉らしさを味わえる

宿自体が鉄輪温泉にマッチした外観・内観になっていて滞在中落ち着けました。

また、ウェルカムドリンクで近くの小売店と提携していたり、運営元が同じカフェが隣にあったり。

宿に地獄蒸しがありますし、鉄輪温泉を味わうには良い宿でした。


・朝食の蒸し料理がおいしい

朝食のせいろ蒸し料理がとてもおいしかったです。

野菜も旨味が引き出されてましたしパンもびっくりするぐらいふわもち。

蒸し料理がこんなおいしいのかと新発見させてもらいました。


・チェックイン時のシフォンケーキがおいしい

運営元が同じサリーガーデンのシフォンケーキがチェックイン時のお菓子としていただけるのですが、とてもおいしい。

おいしくてつい、次の日に隣のカフェ『アルテノイエ』に行ってしまいました。

まとめ

湯治柳屋に宿泊した感想をまとめておきます。

【良かった点】
・地獄蒸し体験が楽しい
・自炊するための設備が整っている
・鉄輪温泉らしさを味わえる
・朝食の蒸し料理がおいしい
・チェックイン時のシフォンケーキがおいしい

【注意点】
・子連れで泊まれる棟が限られている
・館内にエレベーターはない

湯治柳屋は1泊してみて、今度は2泊以上したいと思える宿でした。

地獄蒸し体験が楽しかったのもそうなんですが、鉄輪温泉に暮らすように滞在できる宿だと思えました。

大人数というより1人、2人でゆったり過ごすのによい宿でした。別府・鉄輪温泉の宿泊におすすめです。